イギリスと言えば飯がまずい。飯がまずい国といえばイギリス。
実際本当にその通りで、ロンドンで美味しいとされるご飯のほとんどは日本のファミレスのレベルに達していません。そして高い。ファミレスの3倍以上の値段を平気で取ってきます。
今回はそんなメシマズ大国・イギリスを代表するメシマズ料理、「うなぎのゼリー寄せ」を実食レビューします。
うなぎのゼリー寄せはイギリスでもネタ料理
最初に断っておきますが、うなぎのゼリー寄せ自体はイギリス国内でもネタ料理扱いをされています。
うなぎのゼリー寄せを出すレストランはあるものの、うなぎのゼリー寄せをオーダーする人はほとんどいません。そりゃそうだ。
イギリス人公認のネタ料理ですから、こちらは大手を振ってネタにすることができます。やったぜ。
ちなみに、なぜこんなクソまず料理を食うことになったかというと、1割は僕の知的好奇心、9割は周りの友人の煽りが原因です。絶対今度金払わせる。
うなぎのゼリー寄せとは
その名の通り、うなぎのぶつ切りを塩味のついたゼリーで固めた、日本人に喧嘩売ってるとしか思えない料理です。ゼリーというか煮凝りに近いでしょうか。店によってハーブを使ったりしているようですが、見た目のインパクトを考えると焼け石に水な気がします。
うなぎのゼリー寄せはどこで食べられるか
イギリスには、パイ&マッシュという、肉を包んだパイとマッシュポテトを、豆をすりつぶしたソースにバジルを混ぜたもので食べる料理が存在します。これが食べられるお店でごくたまにうなぎのゼリー寄せを取り扱っているお店が存在します。なんでだ。
いざ、うなぎのゼリー寄せが食べられるお店へ
今回選んだお店は「M.Manze Tower Bridge」。うなぎのゼリー寄せを出してくれるお店で一番ロンドン中心部に近いのでここにしました。
一応断っておきますが、うなぎのゼリー寄せなんて観光地のど真ん中で売っても食べる人なんて誰もいません(当たり前)。なので、基本的に食べることができるのは中心地からちょっと離れた場所がメインになります。宿泊費をケチってWembley Centralの近くに宿泊していたので、ここに着くまでにかれこれ1時間かかりました。クソが。
いざ入店!っと思ったら意外と混んでる…?
電車とバスを乗り継いでようやくお店に着きました。
どうせたいして混んでないだろう…と思ったらお店にはかなりの行列が。え、この人たちみんなうなぎのゼリー寄せ食いたいの???マジ???と一瞬勘違いしたのですが、彼らのお目当ては先ほど紹介したパイ&マッシュの方でした。そりゃあこのご時世にうなぎのゼリー寄せなんて食べるやつなんかいませんよね。本当に食べたくない。
いざ、ご対面
店員「ご注文は?」
ぼく「パイ&マッシュください」
店員「ほいよ」
ぼく「あと、うなぎのゼリー寄せください」
店員「はいはい、うなぎのゼリー寄せね(鼻で笑いながら)」
店員「(厨房に内線かけて)おい!あたおかジャパニーズがうなぎのゼリー寄せ食いたいってさ!!!」
店員「時間かかるから席で待ってて」
こんな会話が繰り広げられていたとかいないとか。1割ぐらい誇張しています。
ちなみにうなぎのゼリー寄せの価格は£7.15。今のレートだと1,400円ぐらいします。普通に家系ラーメンとチャーシューまぶし丼食えるじゃん。腹立つ。
持ってきたお兄さんですら「うわあ…お前これ食うの…?終わってるね…」みたいな顔をする始末。仕方ないだろ、俺がこれを食うことで喜ぶ人類が数人いるんだから。
いざ、実食
そんなこんなでご対面。こんにちはうなぎのゼリー寄せ。
ビジュアルは完全に終わってます。もう本当に想像通り。
想像通りすぎて感想は特にありません。うなぎのゼリー寄せです。さあ、まずは一口ゼリーの部分をいただきます。
…生臭い香りがありつつも、シンプルな塩味が口に広がる。ちょっと泥臭い。怒るほどではないけど…間違いなく美味しくはない。どちらかというとまずい。
身を食べてみる。うん、骨は当たり前に残ってる。そりゃぶつ切りだし。やっぱり生臭い感じはするものの、味わい自体はそこまで悪くない。そこそこにうなぎの風味は感じる。だがまずい。
なんというか、クソまずい!という前提で食べてみるというほどまずくない、ただ間違いなくまずい寄りではある…そんな感じ。怒るほどではない。でもまずい。
卓上にあるお酢をかけてみる。なるほど…確かにそれなりに食える。うなぎの薄い出汁と塩とお酢の味。まずくて食えたもんじゃない!ってレベルではないけど…。うん、やっぱりまずい。
写真撮るのを忘れましたが、ちゃんと完食しました。この1週間前に美味しい鰻を日本で食べて来たので、なんだかもう最後はその味を思い出してギャップで吐き気がしてきちゃいました。
パイ&マッシュもそれなりにまずい
うなぎのゼリー寄せがまずくて食べられなかった場合に、主食として期待していたパイ&マッシュ。
結論から言うと、こちらのほうが曲者でした。
肉を包んだパイとマッシュポテトにソースをかけて食べる、一見シンプルで美味しそうな料理。
ですが、サンドイッチをまずく作れるという特殊能力を持つイギリス人。このシンプルで美味しそうな料理も、イギリス人の手にかかればあっという間にクソまず料理に大変身。
はっきり言って、コストコのインスタントマッシュポテトの方が美味いです。パイは中に肉が詰め込まれたものが共されるのですが、このパイもぶっちゃけないほうがマシ。ある方がはっきり言って迷惑です。とにかく塩とお酢を大量にぶっかけてなんとか胃袋に押し込みました。
とにかくソースがまずいです。豆をすりつぶしたものにバジルを和えたソースだと思うんですが、これが本当にまずいです。豆の臭みが全面に出て、バジルの香りも一切しません。何度も言いますが本当にまずい。
結論:「うなぎのゼリー寄せ」はまずいけど、同じくらいパイ&マッシュもまずい
忘れてはいけないのが、このお店はロンドンでもかなりの人気店だということ。これだけ僕がまずいまずいと言っているパイ&マッシュも、テイクアウトやらイートインやらでみんながうまそうに食べています。すぐ近くのハンバーガー屋のほうが安いのに、わざわざこのお店で食べている。その事実を忘れてはいけません。イギリス人の味覚は間違いなく終わっていることがわかりました。
どうしても食べてみたい!試してみたい!という勇気100%なキミ。
ぜひ食べてくれ。そしてこの国に絶望して、泣きながら日本に帰ってくれ。
おしまい。
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