衝撃の1杯8,000円。マティーニの聖地「DUKES Bar」に行ってみた

酒レポ

皆さんは「マティーニ」というカクテルをご存知でしょうか。

ジンをベースにヴェルモットを加え、オリーブを飾ったとてもシンプルなカクテルです。別名「カクテルの王様」と言われており、カクテルといえばマティーニと答える方も少なくありません。

🍸️←ちなみに、カクテルと打って出てくるこの絵文字もマティーニです。それぐらいポピュラーな存在です。

今回は、そんなマティーニの名店と言われる「DUKES Bar」にお邪魔してきました。

DUKES Barとは

ロンドンの5つ星ホテル、「DUKES Hotel」のメインバー。創業は1908年と100年以上の歴史があります。

名物はなんといっても前述のマティーニ。マティーニといえばジンベースが基本レシピですが、派生としてウォッカベースやラムベースなど、様々なバリエーションが存在します。DUKES Barでは、そういった様々なマティーニを楽しむことができます。

ただ気をつけなければならないのが、マティーニはアルコール度数約35%とかなり強いカクテルだということ。1回の来店でそう何杯も飲めるものではありません。

そう、これはマティーニVS僕の肝臓の頂上決戦でもあるのです。負けられない戦いが、今、始まる。

いざDUKES Barへ

何を隠そう、この日はあの「うなぎのゼリー寄せ」を食べた日と同じ日でした。

口も鼻もうなぎの泥臭さでいっぱいになった僕は、一刻も早く強い酒でこの臭いを洗い流したい!という思いで、「そうだ、DUKES Barに行ってマティーニ飲もう」と、大学生が居酒屋に行くノリでDUKES Barに行くことを決めました。

DUKES Barはロンドンの中心地、セント・ジェームズに位置しています。すぐ近くにはバッキンガム宮殿があり、観光客含めて多くの人が集まっています。

たどり着きました。DUKES Hotelはちょっと奥まったところに位置しているので、若干探すのに手間取るかもしれません。

ロビーはかなりこじんまりとしていて、The SAVOYとは全く違った雰囲気。向こうは華やかで豪華絢爛というイメージですが、こちらは質実剛健、歴史と威厳を感じるイメージです。

中に入ってすぐ右手に、ありましたDUKES Bar。

何やらロビーにも待機している方がちらほらいて、ちょっと嫌な予感がしつつも、入口に立っていたスタッフさんに一人なんだけどいける?と聞いてみると…、

「今から?予約無しで?バカじゃないの?何時間待つことになるか知らんけど、どうしてもって言うなら入れてやるよ(意訳)」

結局このあとロビーで2時間待ちました。できることなら予約して行くことを強くおすすめします。

2時間をロビーで過ごし、いざ入店

2時間後、ようやく名前が呼ばれ席へ。この2時間でマティーニを渇望する気持ちはピークに達し、もはや「さっさと飲んで早く帰りたい」というレベルに達していました。

僕は初めて、メニューの注意書きにマティーニは2杯までと書いているお店を見ました。心配しなくても3杯目を飲む頃には死を迎えているはずです。

1杯目:French 75

いきなりマティーニを飲むと肝臓がびっくりしてしまうので、まずは景気づけにFrench75をチョイス。

美味い。スッキリ爽やかですが、海外のカクテルらしく甘みがしっかりと感じられます。こちらで£23.50(約4,700円)。これはうまくセーブしないとお財布が爆発する未来が待っています。

ちなみにおつまみはミックスナッツでした。塩味は全くなく素朴な味。日本人にはちょっと物足りないかも、と思いながらいつものようにむしゃむしゃ食べまくってました。

2杯目:DUKES Vodka Martini

さて、いよいよ本番のマティーニに行ってみましょう。2杯という上限があるのに対し、マティーニの種類は平気で5種類以上ラインアップされています。こりゃ困った。

スタッフさんに「初めて来たんだけどどれがおすすめ?」と聞くと、「2個飲むなら、最初はウォッカ・マティーニがおすすめですよ(にっこり)」と優しく背中を押していただいたので、ウォッカ・マティーニをチョイス。何故なにも言っていないのに、僕が2杯マティーニを飲もうとしていることがバレているのか。さすが5つ星ホテルのスタッフはレベルが違います。

しばらく待つと、カタカタと音を立ててワゴンがやってきました。そう、DUKES Barはワゴンサービスでマティーニを提供するのが特徴のひとつなんです。

ドライがいいか優しめがいいかなど、お好みで味を調整してくれます。なんか家系ラーメンみたいですね。僕はもちろんエクストラドライで注文しました。

美しい。

こう、色々なバーに行くとたまに威圧感を感じるカクテルに出会うことがあるんですが、このマティーニはそういった威圧感というか、ものすごい迫力を感じるカクテルに感じました。そして恐る恐る緊張の一口。

美味い!!!

ウォッカは優しめですが甘みがあり、口当たりがとても滑らかです。ジンベースよりもよりヴェルモットの香りと味わいを感じることができ、レモンの酸味と合わさって強烈なキレを感じます。

口に含んだ直後と飲み込むときで、温度変化により味が変化するのがとてもおもしろい。シンプルな材料なのに、これだけの奥行きを表現できるとは。恐ろしい。

これは確かに、今まで飲んできたマティーニの中で間違いなく一番美味いと自信を持って言えます。格が違う。凄え。

恐らく飲み干すのに10分もかかりませんでした。それぐらい美味かった。これは他のマティーニにも期待が膨らみます。

お値段は£20.50(約4,000円)。正直この味なら納得の値段です。

3杯目:White Truffle Martini

さて、ハウスルール的にも最後の1杯になるマティーニを何にするか…。

この時点である程度酒が回ってきており、こうなると「せっかく来たんだし」「ラスト1杯だし」「次いつ来れるかわからないし」「ブログのためだし」「今日はうなぎのゼリー寄せ頑張って食べたし」などと、ロジカルに己を納得させる言い訳を頭の中で考え始める始末。

そんなこんなで、己の欲望のままに飲んでみたいマティーニを選ぶことに。

僕「なにか最後にふさわしい、スペシャルなマティーニはありますか?」

スタッフさん「それなら、今の季節限定のトリュフを使ったマティーニがありますよ」

僕「じゃあそれでお願いします(即答)」

チョロい。チョロすぎる。限定・トリュフ・マティーニという文字列を見てテンションが上がらない人がいるだろうか(反語)。

本日2回目のワゴン。1回目はテンションが上って撮影を忘れていましたが、2回目は忘れずに収めることができました。酔ってるのに偉い。

真ん中に鎮座しているのがイタリア産の白トリュフを数カ月間漬け込んだウォッカだそう。なるほど、これを使ってマティーニを作るということね。

来ました。「White Truffle Martini」です。見た目は先程と変わらないように見えますが、薄っすらと黄金色の色味をまとっているのがおわかりいただけるでしょうか。

もうこの時点で周辺に強烈なトリュフの香りが溢れ出ています。いただきます。

美味い!!!

なるほど、先程ウォッカ・マティーニを飲んだおかげでうまく比較ができます。先程はキレ感満載のマティーニでしたが、こちらはもっと重厚で、とてもじゃないけど一気に飲むのは不可能なイメージです。トリュフの香りはもちろんですが、熟成したきのこの味わいが存分に引き出されており、舌の上に若干塩気を感じます。これはゆっくり楽しむものですね。

グラスも材料もめちゃくちゃしっかり冷やしているので、時間が経っても全くぬるくなりません。ヘッドバーテンダーのAlessandroも「マティーニは温度が一番大事で一番気を使っている」と言ってました。

さて、こちらの気になるお値段は…なんと衝撃の1杯£40(約8,000円)。このカクテル1杯でいいレストランでコース料理が食べられる金額です。

ちなみに、特別サービスなのかみんなにやっているのかわかりませんが、頼んだらおつまみにオリーブをくれました。オリーブの塩気なのか涙の塩気なのかわかりませんでしたが、パンチが効いていて美味しかったです。

最後にヘッドバーテンダーのAlessandroに写真を撮ってもらいました。お忙しい中ありがとうございました。

お会計はカクテル3杯で2万円オーバー。この記事書きながら鼻水出てきました。

もうしばらく贅沢はできませんが、後悔は全くありません。素晴らしいマティーニと出会えたことに感謝をしつつ、また明日から労働に励みたいと思います。

以上、DUKES Barのご紹介でした。

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